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『全国糖尿病週間』をご存知でしょうか。11月14日はインスリンを発見したカナダのバンティング博士の誕生日であり、糖尿病治療に画期的な発見に敬意を表し世界糖尿病デーとされています。世界糖尿病デーは、世界に拡がる糖尿病の脅威に対応するために1991年にIDF(国際糖尿病連合)とWHO(世界保健機関)が制定し、2006年に国連により公式に認定されました。この11月14日を含む一週間(月~日)を『全国糖尿病週間』として、全国各地でさまざまなイベントが実施されています。今年の全国糖尿病週間のテーマは「サルコペニア・フレイル」です。多くの医療従事者が参考にする「糖尿病治療ガイド」でも、糖尿病治療の目標は「健康な人と変わらない人生」の達成であり、そのためには高齢化などで増加するサルコペニア・フレイルの予防と管理が必要であると記載されました。
では、サルコペニアとはどのような状態でしょうか。サルコペニアは分かりやすくいうと、「加齢や疾患などにより筋肉量が減少し、筋力低下や身体機能の低下が起こること」です。糖尿病ではインスリン作用不足や神経障害などにより筋肉量や筋力が減少し、サルコペニアの原因となることが分かっており、糖尿病で筋肉が減少するメカニズムについても解明されつつあります(図2 Hirata Y, Ogawa W, et al. JCI Insight , 2019)。
サルコペニアは、早く見つけて予防や対策を行うことが重要です。診断基準(Asian Working Group for Sarcopenia (AWGS) 2019 )で用いられる握力は気軽に測定できる指標の一つです。男性で28kg未満、女性で18kg未満は、筋力低下と考えられますので、参考にしてください。
対策はやはり食事と運動です。適切な栄養摂取とタンパク質摂取がサルコペニアの発症予防に有効である可能性があり推奨されています。腎機能等によっては高タンパクがすすめられない場合もありますので、専門家と相談しながら栄養の見直しを行ってください。また、運動習慣や豊富な身体活動量はサルコペニアの発症を予防する可能性があり、運動ならびに活動的な生活が推奨されています。本稿を作成している現在は「スポーツの秋」です。ぜひ、皆さんも身体を動かしましょう!
【ヒント★01】新型コロナウイルス感染症と糖尿病
【ヒント★02】熱中症を予防しよう。
【ヒント★03】感染対策と食事・運動療法の両立
【ヒント★04】新しく追加された糖尿病治療薬
【ヒント★05】サルコペニアを予防しよう
【ヒント★06】スティグマとアドボカシーって何でしょう?
【ヒント★07】2020年を振り返って
次回【ヒント★08】インスリン100年 2021年はどんな年に?
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