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糖キング 糖の流れに魅せられた男が語る(Talking)糖尿病のお話。 二田哲博クリニック 糖尿病専門医・指導医 野見山崇

【第28話】
糖尿病連携手帳 第4版

あれからもう4年が過ぎ去ったのか、、、。時のながれの速さに思わずため息が出てしまう。2016年2月に我々が改訂した糖尿病連携手帳第3版(糖キング第11話参照)を再改訂し、糖尿病連携手帳第4版を発行したので前回同様紹介しよう。今回の改訂は基本的に第3版の路線を継続する形で、いくつかのマイナーチェンジと新たな試みを加えた。まず注目すべきは、ついに表紙に手を加えることができた事だ。

第28話 糖尿病連携手帳 第4版@糖キング 野見山崇
第28話 糖尿病連携手帳 第4版@糖キング 野見山崇

野菜の顔のモチーフはそのままだが、マールくんが第4版と書かれたプラカードを持っている。私の長年の夢でもあったマールくんの手帳デビューを成し得た。表紙と裏表紙の紙質が若干薄くなったが、患者さんが氏名を記入できるような素材になり、担当医やメディカルスタッフの皆さんの取り違いが少なくなるように工夫されている。2~3頁のシンボル的な絵はかなり斬新になったと自負している。第3版より大きく力強くなり、市区町村の皆様にも仲間入りして頂いた。また、患者さんの絵が現代風かつ写実的になっている点にも注目して頂きたい。

第27話 GLP-1の真の目的は何か@糖キング 野見山崇

このページには強い思い入れがある。糖尿病患者さんは一人ぼっちではない。多くの医療スタッフや社会全体が糖尿病診療の連携に関わっていることをアピールしたかった。そして、患者さんが神輿に乗る存在として中心にいるのではなく、チームの一員として輪を形成していることもポイントだ。吹き出しの文言にもあるように、患者さんは擁護される存在ではなく“責任”ある一人のチームメイトである。

検査結果のページは枠を大きくし、見やすく書きやすくした。改訂の段階ではこのくらいの変更では大差ないのではと思っていたが、実際に患者さんを目の前にして記入すると第3版より断然書きやすい。仮に私の老眼が進行して書く字が大きくなったとしても、さほどは変わらないであろう。第17話の残心でご紹介した不要の要がそこにあるのかもしれない。また、全国の先生方のご要望に応え、眼科・歯科の頁を増やした(16~19頁)。

今回の改訂の一つの目玉が関連検査の頁だ(20~23頁)。第3版までは合併症関連検査と表記されていたが、合併症の定義を厳密にとらえ併存症との違いを考慮することで、糖尿病に対するスティグマを促進しない目的で変更された。この合併症と併存症という観点については、いずれ詳しく述べたいと思う。まず、第3版では見開き縦の頁であったものを書きやすく横にした。また、足チェックは記入しやすく絵を加えた。これならフリーライティング的に記載できるのではないか。家族が患者さんの足を見た際、的確な病名や所見の名前が思いつかなくても、足病変のある絵の部分に印をつけておけば、担当医やフットケア外来のスタッフが次回外来時にその部分を診察すれば良い。さらに今回、握力と骨格筋指数(SMI)の項目を設けた。今年、第56回全国糖尿病週間のテーマは下野大先生が提案された“サルコペニア・フレイル”だ。特に高齢糖尿病患者さんで増えている筋量不足と筋力不足の進行を阻止しようという目的で加えた。なぜ糖尿病でサルコペニアが悪化するか、詳細な分子メカニズムは神戸大学の小川渉先生らが報告されているので、専門医の先生方はご参照頂きたい(JCI Insight. 2019;4(4):e124952)。握力は知っているけど、SMIはどのように測定するのかと思われるであろう。SMIは二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)や生体インピーダンス解析(BIA)法で計測でき、アジア人では男性7.0kg/m2以下、女性5.4kg/m2以下でサルコペニアと診断される(日老医誌 2015;52:343-349)。今までの糖尿病運動療法では、とにかく有酸素運動お勧めの一点張りであったが、新しい糖尿病治療ガイドにもレジスタンス運動が推奨されており、患者さんに“貯筋”をしてもらう必要がある。

第27話 GLP-1の真の目的は何か@糖キング 野見山崇

高齢者でも自宅で簡単に行えるレジスタンス運動について、分かりやすく冊子で解説したので、可能であれば患者さんはかかりつけのクリニックで担当医から受け取って頂きたい。

第27話 GLP-1の真の目的は何か@糖キング 野見山崇

その他、今回の手帳では赤司朋之先生のご提案で検査計画のカレンダーを加えた(24~25頁)。こちらに関してはまだ試行錯誤する必要があるので、皆様のご意見やご使用感を協会事務局までお聞かせいただきたい。

第27話 GLP-1の真の目的は何か@糖キング 野見山崇

毎回のことだが、編集委員の先生方の熱意と知識と思慮深さには感銘を受ける。ほぼ前回と同様のメンバーで改訂したが、この機に我々はグッズ委員会という新たな委員会として活動を開始した。私は委員長という名の単なる司会者に過ぎない。詳細は今年のDM Ensemble誌Vol. 9, No. 2にメンバー紹介も含めて書かれているので、スタッフの皆様はお読みいただきたい。また、今回も事務局の岩村元気さんに大変お世話になった。そしていつも通り、苦言を言って頂ける人がいる。出来上がったものに対して非難や不平不満をいうのは簡単だ。非建設的なご意見は有難く聞き流し、今後も患者さんの人生のパートナーとなる楽しいグッズを世に出したいと思う。

<残心>ワンチーム
ワンチームという言葉が世間で流行っているようです。振り返れば私も人生の中で、何度かワンチームという感覚を実感した思い出があります。全米剣道選手権大会で団体3位になった時、内分泌学会や糖尿病学会九州地方会でみんなと恋ダンスを踊ったときなどがありますが、今でも思い出深いワンチームは高校時代にありました。
私の母校は、今はもうない神奈川県立相模大野高等学校です。高校3年生時は理系と文系にクラスが別れ、理系は男子が多いため共学なのに男子だけのクラス、通称男クラでした。ある日、クラスメイト一人がポロリと“昼飯に出前食いたくねえ?”と言った一言を切っ掛けに、昼休み出前計画のチームが結成したのです。予めメンバーから注文を取っておき、高校近くの中華料理屋でバイトしていたK君が朝から校庭の隅の木の影に出前用のバイクを停めておきます。昼休みなった瞬間にダッシュで店までバイクを飛ばし、出来立てのラーメンを運び、皆で食べ終えたら空き皿を岡持ち入れてバイクに積んで置き、何もなかったかの様に午後の授業を受けます。そして、放課後K君が店に運びました。高校の教室で食べた出前ラーメンの味は格別でした。当然校則違反なので、他のクラスの生徒が教師にタレこみます。しかし当時担任のH先生は父兄会で、素晴らしいチームワークに感銘を受けました!と言ったそうです。いい時代のいい高校でした。ちなみに私は遅刻回数が学年トップでしたが、遅刻の理由に“昨夜遅くまで勉強していて寝坊した”と書いて、まかり通っていました。今では有り得ないですよね(笑)













残心(ざんしん)】日本の武道および芸道において用いられる言葉。残身や残芯と書くこともある。文字通り解釈すると、心が途切れないという意味。意識すること、とくに技を終えた後、力を緩めたりくつろいでいながらも注意を払っている状態を示す。また技と同時に終わって忘れてしまうのではなく、余韻を残すといった日本の美学や禅と関連する概念でもある。(Wikipediaより一部抜粋・転載)






【第01話】多くの人生を変えたミラクルドラック・インスリン
【第02話】HbA1cの呪縛
【第03話】糖尿病と癌
【第04話】糖毒性という名のお化け
【第05話】医者らしい服装とは?
【第06話】食後高血糖のTSUNAMI
【第07話】DMエコノミクス
【第08話】インクレチンは本当にBeyondな薬か?
【第09話】守破離(しゅ・は・り)
【第10話】EMPA-REG OUTCOMEは糖尿病診療の世界を変えるか?
【第11話】新・糖尿病連携手帳
【第12話】過小評価されている抗糖尿病薬・GLP-1受容体作動薬
【第13話】ADAレポート2016
【第14話】メトホルミン伝説
【第15話】Weekly製剤を考える
【第16話】糖と脂の微妙な関係
【第17話】チアゾリジン誘導体の再考~善とするか「悪とす」か~
【第18話】糖尿病患者さんの死因アンケート調査から考える
【第19話】Class EffectかDrug Effectか
【第20話】糖尿病治療薬処方のトリセツ執筆秘話
【第21話】大規模臨床試験の影の仕事人
【第22話】低血糖の背景に、、、
【第23話】ミトコンドリア・ルネッサンス
【第24話】血管平滑筋細胞の奥深さ
【第25話】運動療法温故知新
【第26話】糖尿病アドボカシー
【第27話】GLP-1の真の目的は何か
【第28話】糖尿病連携手帳 第4版
【第29話】残存リスクを打つべし!

*文章、画像等を無断で使用することを固く禁じます。

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