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糖キング 糖の流れに魅せられた男が語る(Talking)糖尿病のお話。 二田哲博クリニック 糖尿病専門医・指導医 野見山崇

【第64話】
第13回 JADEC年次学術集会

第13回JADEC年次学術集会が、2026年7月26・27日に津村和大会長の元、国立京都国際会館で行われた。毎年暑い中、熱いディスカッションが繰り広げられる本会だが、今年もアツかった。

まず、最初の津村和大会長の会長講演が圧巻だった。得意のAIを駆使した未来都市を思わせるようなスライドを用い、ダイアベティス・ケアを社会の一部と捉えなおし、糖尿病学から今後の世の中があるべき姿を投影するような内容であった。会長講演を拝聴しながらスライドを見ていたら、学会ポスターとイメージが重なる部分が数多く見受けられ、ご本人に確認したところポスターも津村和大会長ご自身が作成されたものであることが分かった。津村和大さんの“サイエンスとアートの融合”に脱帽である。

糖キング第64話「第13回 JADEC年次学術集会」:第13回 JADEC年次学術集会 キービジュアル 野見山崇

私が参加したセッションで、いくつか興味深いエピソードがあった。自身が企画したディベートセッション、“コントラバシー③やせ型2型糖尿病、DPP-4阻害薬の次の一手-メトホルミンか、イメグリミンか-”では、川崎医科大学中西修平さんと自治医大さいたま医療センター吉田昌史さんの二人の友人にご登壇いただき、プレゼンテーションをしてもらった。このお二人を選んだ理由はフレンドシップや専門性などもあるが、一番の理由は“二人とも今までJADEC年次学術集会に参加したことがなかった”からだ。メインホールではない会場の2日目の朝一番のセッションに清野裕理事長も聴講者として参加して頂き、いの一番にご意見頂いたのは、来年以降も参加してくださいという意図が含まれていたのであろう。初めての参加、登壇であったお二人だが流石の役者で、会は大盛り上がり。最後は立ち見が出ていた。 EXPERT社員×医療者×会場全体でつくる共創セッションにファシリテ―タ―として参加したが、こちらも大変な盛り上がりであった。特に、企業の社員さんが普段はライバルメーカーであるはずの会社の垣根を超えてディスカッションしている姿が素晴らしかった。日常業務では“はい”か“イエス”しか答えの選択肢が与えられない社員の皆さんが、ダイベティス・ケアについて、JADECのグッズについて熱く語っている姿が素晴らしかった。あらゆる医療の分野で、企業の方が医師やメディカルスタッフとのディスカッションに加わる企画があるだろうか?JADEC年次学術集会の目玉の企画として、企業人と医療人の対話をさらに盛り上げたい。

糖キング第64話「第13回 JADEC年次学術集会」:第14回 JADEC年次学術集会 キービジュアル 野見山崇

その他、ACジャパンの活動やアドボカシーのシンポジウムも大変興味深いものであったが、糖キングをお読みの皆様に是非覚えておいて頂きたいことは、来年の第14回JADEC年次学術集会は私が会長で、2027年7月24・25日に同じく国立京都国際会館で行われることだ。ポスターもすでに出来上がっている。テーマを“ダイアベティス・ケアの新たな頂を目指して”とした。糖尿病と戦ってきた我々人類の最初の目標は、糖尿病性ケトアシドーシスを無くすことだった。インスリンが1921年に発見され(第1話参照)、それが克服された後は細小血管合併症の発症進展抑制を目標とし、その後は大血管合併症である心血管イベントの抑制を目標として徐々にそれを達成しつつある。ではその次の目標は何か?認知症やサルコペニア、がんといった新たな併存疾患と戦うのか?それともマスとして有意差をつけるという達成感の呪縛を逃れ、ダイアベティスと共に生きる人の個の満足を追求する時代が来るのか?という禅問答の様な問いを考えたい。サブタイトルは“登山道は多種多様、目指す山頂はおなじ”とした。JADECでは多種多様な職種の方が集まり、みな平等に語り合うことを大前提にしている。ではなぜ“登山者”ではなく“登山道”つまり“道”なのか。それは私が常日頃から目標としている“JADECと関連する団体との融合”を強調したかったからだ。JADECはダイアベティスと共に生きる人のより良い人生のために活動している。しかし糖尿病診療には日本糖尿病学会日本内分泌学会も大きく関与している。さらには日本糖尿病合併症学会日本肥満学会日本歯周病学会も関与しているといえる。これらの団体の活動の道筋とJADECの歩んでゆく道筋を融合したいと思う。もうすでに目玉になる企画をいくつか考えている。一人でも多くの人に参加して頂きたい。


<残心>サマー剣道着
ウエアーやシューズといったスポーツ用品の進化が、現代スポーツの結果や記録に大きく影響していることは言うまでもありません。箱根駅伝の“高速シューズ”がその最たるものです。一方、剣道は何百年も前からほぼほぼ同じ道着と防具を付けて、春夏秋冬通して稽古や試合をしています。ところが最近、夏用の剣道着というのが販売されています。通常の織刺しの物と違いジャージのような生地ですが、見た目はかなり似せています。実は道着と袴の生地と形態は一種のプロテクターになっているので、ジャージ生地だと打たれた時の衝撃は大きいことが予想されます。また、“高段者”としてあまり邪道な着装は出来ないというプライドもありましたが、昨今の猛暑に耐えかねて、一着購入しました。すると、なんと快適なのでしょうか。今までの苦しい感じが嘘の様です。もっと早く購入すれば良かったと後悔です。やはり、剣道の道具も進化しているのですね。歴史上、現代のような剣道の形を始めたのは、新陰流の開祖である上泉伊勢守信綱(かみいづみ いののかみ のぶつな)という定説があります。当時は袋竹刀という竹を布で巻いた太刀で、防具無しで叩き合っていたそうですら、さぞかし痛かったでしょう。剣道自体も進化しています。 サマー剣道着をネットで注文した際、無料で名前が刺繍して頂けたのでお願いしました。もちろん色は紫です。順大剣道部ですから。

糖キング第64話「第13回 JADEC年次学術集会」:サマー剣道着 野見山崇





残心(ざんしん)】日本の武道および芸道において用いられる言葉。残身や残芯と書くこともある。文字通り解釈すると、心が途切れないという意味。意識すること、とくに技を終えた後、力を緩めたりくつろいでいながらも注意を払っている状態を示す。また技と同時に終わって忘れてしまうのではなく、余韻を残すといった日本の美学や禅と関連する概念でもある。(Wikipediaより一部抜粋・転載)






【第01話】多くの人生を変えたミラクルドラック・インスリン
【第02話】HbA1cの呪縛
【第03話】糖尿病と癌
【第04話】糖毒性という名のお化け
【第05話】医者らしい服装とは?
【第06話】食後高血糖のTSUNAMI
【第07話】DMエコノミクス
【第08話】インクレチンは本当にBeyondな薬か?
【第09話】守破離(しゅ・は・り)
【第10話】EMPA-REG OUTCOMEは糖尿病診療の世界を変えるか?
【第11話】新・糖尿病連携手帳
【第12話】過小評価されている抗糖尿病薬・GLP-1受容体作動薬
【第13話】ADAレポート2016
【第14話】メトホルミン伝説
【第15話】Weekly製剤を考える
【第16話】糖と脂の微妙な関係
【第17話】チアゾリジン誘導体の再考~善とするか「悪とす」か~
【第18話】糖尿病患者さんの死因アンケート調査から考える
【第19話】Class EffectかDrug Effectか
【第20話】糖尿病治療薬処方のトリセツ執筆秘話
【第21話】大規模臨床試験の影の仕事人
【第22話】低血糖の背景に、、、
【第23話】ミトコンドリア・ルネッサンス
【第24話】血管平滑筋細胞の奥深さ
【第25話】運動療法温故知新
【第26話】糖尿病アドボカシー
【第27話】GLP-1の真の目的は何か
【第28話】糖尿病連携手帳 第4版
【第29話】残存リスクを打つべし!
【第30話】糖尿病という病名は変更するべきか
【第31話】合併症と併存症
【第32話】メディカルスタッフ
【第33話】新・自己管理ノート
【第34話】グルカゴン点鼻薬とスナッキング肥満
【第35話】SGLT2阻害薬 For what?
【第36話】血糖値と血糖変動のアキュラシー
【第37話】経口GLP-1受容体作動薬
【第38話】コロナ禍をチャンスにする糖尿病診療
【第39話】HbA1cはウソをつく、こともある
【第40話】糖尿病治療ガイド2022-2023:私のポイント
【第41話】順天堂大学医学部附属静岡病院
【第42話】2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム
【第43話】降圧薬のBeyond
【第44話】糖尿病治療はデュアルの時代
【第45話】兄貴に捧げるラストソング
【第46話】血糖だけにこだわらない!糖尿病治療薬の考え方・使い方
【第47話】糖尿病は治るのか?
【第48話】2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム(第2版)
【第49話】医師の働き方改革
【第50話】GLP-1受容体作動薬のセレクト
【第51話】肥満症の治療薬
【第52話】Dear ケレンディア
【第53話】高齢ダイアベティスの極意~キョウイクとキョウヨウ~
【第54話】尿アルブミンは心血管の鏡
【第55話】SGLT2阻害薬 For what?第2章
【第56話】“あいうえお、かきくけこ、さしすせそ”
【第57話】JADEC連携手帳 第5版
【第58話】12th JADEC年次学術集会
【第59話】腫瘍糖尿病学
【第60話】2025th WDD
【第61話】GLP-1RA vs. SGLT2Iどっちが血管保護してる?
【第62話】ダイアベティス(糖尿病)治療薬 ファースト&セカンドチョイス処方術
【第63話】SURPASS-CVOTの結果を深読みする
【第64話】13th JADEC年次学術集会
【第65話】ESTATE study

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